人生の質(Quality of Life)を意識するようになってから、
生活の基本である「衣・食・住」を大切にするようになりました。
朝、静かな光が差し込む部屋で、抹茶を飲む時間から私の1日は始まります。
渡航の際、殺菌力があり免疫力を高めるからと、母が抹茶の粉と器を手渡してくれました。
この習慣は、今も私の中に根付いています。
特に「食」には気を配るようになりました。
私のがんはホルモンがベースのため、油断すると体重が増えやすい体質です。
そこで、さまざまな種類の野菜を少量ずつ取り入れ、五大栄養素をバランスよく摂るよう食生活を改善しました。
闘病中は、1週間で7kgも体重が落ちました。
若年層のがんは進行が早いこともあり、抗がん剤の濃度も強くなります。
残酷ですが、若いほど転移のスピードが速いのが現実です。
当時の私は匂いに非常に敏感になり、食事が運ばれてくる匂いだけで嘔吐してしまいました。
そんな中、唯一口にできたのが、患者仲間がくれたバニラのアイスクリームでした。
冷たくて、やわらかくて、
それはまるで「命をつなぐ」小さな希望のようでした。
腹水が溜まり、大きなお腹を抱えながらも、
その方は通院のたびに病棟までアイスクリームを届けてくれました。
その姿を、私は今も忘れることができません。
それ以来、健康でいられる今こそ、できるだけ自然な栄養を取り入れ、
日頃から免疫力を整えておくことが大切だと考えるようになりました。
衣・食・住は、単なる生活の要素ではありません。
それは、心を整えるための土台でもあります。
眠れない夜を何度も経験したからこそ、
「安心できる空間」を何よりも優先するようになりました。
深い睡眠こそが健康の基本だと考え、安全で静かな住環境を選んでいます。
部屋の色も、ベージュなど安らぎを感じられる落ち着いた色を好みます。
心地よい空間は、日々の生活の質を大きく左右するからです。
「衣」についても同じです。
闘病中は抗がん剤の影響で髪が抜け落ち、鏡の前に立つことがつらい日々でした。
毎朝、洗顔後に映る自分の姿を見ては、背負った現実と先の見えない未来に、不安と絶望を感じていました。
今は、髪型やファッションを自分の好きなように楽しめるまで回復しました。
あの体験があったからこそ、背伸びはしません。
今の自分に正直でいられる、シンプルで着心地のよい服を選ぶようになりました。
そして何よりも、「時間のゆとり」を大切にしています。
食事をゆっくり味わう時間。
散歩をしながら、木漏れ日の光や季節の花を感じる時間。
日常の中にある小さな余白を、意識して楽しむようになりました。
私の一日は、決して特別なものではありません。
けれど、この「普通」を守ることこそが、
私にとっての “Quality of Life” なのです。

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